あのころ/にゃんしー
由は
深い城の奥で助けを求めていた
最初は頼りなかったチビのおっさんも
だんだん強くなっていくと知った
いつかはきっとヒーローになれる
あの城の奥までもうちょっと
どうしても倒せない強敵もいた
もうやらねって投げたコントローラー
それでも沸き立つ不思議な感情
夜中にこっそりスイッチオン
セピア色の空の下
16色の物語
プラスチックの思い出
ツーコンマイクで「がんばれ」
あのころぼくらが過ごした日々は
とっくに壊れて動かないけど
たまに思い出の中で聞こえる
8メガビットのラブソング
あのころぼくらが見ていた夢は
赤いへんなヒゲのおっさ
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