救い/タカハシイルル
 
子どもが泣きやんで外に出ると
そこは荒地だった

子どもは笑って
駆け回り転んで空を見上げた
これまでのすべてが壊れてしまったと
歓喜した!
これは革命じゃない
大きな意志が望んだことだ、と

少し膨張した太陽と
月があった
星も、風も、土も水もあった

仄暗い夕べがやってきて
それでも乾いた喉をそのままに
頬に触れる風を感じた
幸福だった
すべてが終わったのだと、
あの忌まわしい
競い合い殺しあい弱い者を踏み躙る
殺伐としていく文明が

終わったのだと

ルシア、私はあなたに護られていた
私は、ただ
あなたの赤児のように

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