夜になっても愛は/草野春心
 


  夜になっても
  愛はきみの胸にあった
  海のむこうでさびしくともる
  うすぐらい光のように
  いま、雨は
  何処にも降っていない
  ただそんな予感だけが、
  あたりをかなしく濡らしている
  獣たちが息をひそめ
  音楽はピアノのなかで眠る
  穏やかな栗色の巻き毛につつまれ
  まちがいなくきみのものだった
  夜になっても 愛は



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