時の樹木/yamadahifumi
僕は「時」が欲しい
細切れにされた時間
スマートフォンによって刻印され、タイムカードによって切り取られた時間
そんな時間はもういらない
誰もがFXの一分一秒の落差で
天国や地獄を見る・・・そんな時間で
世界は溢れかえっている
僕が欲しいのはそうした時間ではない
それはもっと肉体的な時間、次第に樹がゆっくりと成長していくような
そんな「時」が僕は欲しいのだ
そして、その時が一つの成就を見る時
僕という枝の先にある葉達は始めて
僕に先駆けて何億年とそこに突っ立っている
星々の美しさを
本当に知る事ができるのかもしれない
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