秋を生きる/かの
 
簡単に見えたものがどんどんそうでなくなるの
呼吸を整えてもまた喉がつまって
秋の風吹くひまわり畑の中で
あの日のサンダルでできた靴擦れをこじらせてる
夏を秋を冬を春を
もう何度も知ってるのに
雨が降ったからふさぎこんだ


インターネットの中で
汚い言葉を叫でる


水たまりにつまづくけど
笑った君の顔思い出しても
眉毛の一本もうごかさず
虹が出たら寝たふりをしよう
いつだって泣き出せるよ
終わってないことが多すぎた

貧弱な行動力と豊富な妄想力で
苦しく駆けずるんだ
だれかビールを持ってきてよ
いっしょに乾杯しよう
紫のルージュをぬってみたい
いつだって気づいたときには遅かった

濃くなったら沈む合図
銃の音はならないのに夜は始まる
インスタントのカフェオレが
わたしの簡易的な沼でした


今日もぐびぐびちゃぽんと
生きてく準備をしている

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