春の嵐/渡邉建志
 
 
 は静かに消えて......
 見える、 古バード、 はらり
 比翼の、 墜落、 終に、 
 方翼の、 舞踏に、 似て、  
(あてど、あてど、あてど)の ない
(あてど、あてど、あてど)の ない
 汽車 どこ へ どこ へっ



ときに きらきらと、みえるのは 
あれは まぼろしではない 
この うつくしい ひかりのなかで
ことばはなにもいらない
かなしいこと
わたしたちはもう
きもちを
あらわすことができないけれど
どうか
あなたはその
きり
のなかにいてください
ことばはなにもいらない
ことばはなにもいらない
 ああ
 ああ
 ああ
[次のページ]
戻る   Point(4)