春の嵐/渡邉建志
は静かに消えて......
見える、 古バード、 はらり
比翼の、 墜落、 終に、
方翼の、 舞踏に、 似て、
(あてど、あてど、あてど)の ない
(あてど、あてど、あてど)の ない
汽車 どこ へ どこ へっ
ときに きらきらと、みえるのは
あれは まぼろしではない
この うつくしい ひかりのなかで
ことばはなにもいらない
かなしいこと
わたしたちはもう
きもちを
あらわすことができないけれど
どうか
あなたはその
きり
のなかにいてください
ことばはなにもいらない
ことばはなにもいらない
ああ
ああ
ああ
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