ふるさと/葉leaf
 

俺は些細なものにたくさん敗けてきた
例えば他人のどうでもいい一言
自分の理念のわずかな変化
都会に漂ううっすらとした煙のようなもの
些細なものに膨大に敗けることが
俺の速い流れにカーブを作り
カーブから水があふれカーブを削るのに時間がかかった
ふるさとはどんな都会に暮らしていても
その壁の向こう側に無限に広がっている
ふるさとは永遠の敗北であり膨張を続ける周縁である
俺は何かに敗けるたびに壁の裏側のふるさとを巡った
俺はどんなに確かな中心にあっても
必ずそこに周縁を見出し周縁を愛し周縁に居つく
極めて優れた羅針盤の持ち主だ
つまり俺は学校でも周縁のふるさとで教員を呪
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