風媒花/梅昆布茶
春の沃野に解き放つすべての鳥の歌をきかせて
越境するこころのままに春を待つ裸足の足で大地と話す
まっさらなシーツと陽にふくらんだふとんと枕それだけあれば朝はくる
パーリ語で風媒花ってなんて言うんだろうと思いながらも風に乗る
平和な日々あまりに重くあまりにも軽いその存在
日なたのにおい麦の風つくりわすれた竹とんぼ
腰をおろして春を待つひらいたページをそのままに
唐変木花は咲くのか実はなるかそれともはかない木偶人形
きりとって貼り付けて名をよんだらばやっとあの空にみえてきた
渡し守届かぬ空に棹差して花ある里にまた春を待つ
草燃えて残ったばかりの永遠に僅かな風とともに暮らす
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