セッド シー/
salco
思い描いた未来なんて
無意味なまぼろし
窓のガラスに描いた夢
流れ去って行く雲を数えて
惰眠を貪っている内に
ひとり丘に取り残されて
春かと思っていたのに
秋風が立っている
私を育てて来た過去は
消え去った世界
苔むした墓石
思い出を一つずつ取り出して
陽に輝かせている内に
ひとり夜の浜に立っていて
足首を洗っていた波が
胸の上まで満ちていた
戻る
編
削
Point
(11)