四季恋想  〜四つの行詩より〜/龍九音
 
「春」

あなたと歩くのなら春がいい

鮮やかな桜の彩りの中

ポケットの中で手を繋ぎ

二人で顔を見合わせて笑いたい


「夏」

あなたと出かけるなら夏がいい

夜店が並ぶ夏祭り

浴衣姿に金魚を持って

帰り道 見上げる空に満天の星


「秋」

あなたを想うのなら秋がいい

釣瓶落しの秋の空

恋しい気持ちが募る頃

もどかしげに上着を掴んで逢いに行く


「冬」

あなたを抱きしめるなら冬がいい

ひっそり閑とした公園で

吐く息の白さが近づいて

あなたが傍にいる温もりを感じたい
戻る   Point(2)