太極/ゆったいり
 
秋の夜長のつれづれに
ふと目を閉じて夢想する

意識は記憶の霧を飛び
いつか来た森へ降り立つ

倒木に、双葉が出ている
蓄えられた養分に
土の上より住みよいらしい

乾いた川の跡がある
空に昇った水たちは
雲となりまた降り注ぐ

循環する地球

明るい昼のすぐそばに
夜の闇が寄り添って
光陰ぐるぐる回り廻って

いくつもの昼夜が流れ
また僕は秋を迎えた

水車がある

春を汲み上げ夏として
下ろし始めて秋になり
冬から春へと流れに帰す

明も?も
生も死も
くみあげられては降ろされる

浮かぶビジョンは絵画のように

いつまでも
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