ミルクティー/平井容子
 
甘すぎる飲みものに
あまり遠くまで泳いで行けそうにない日
という名まえをつける

低体温というひびきに憧れなかった?
いいえ、わたしは
身体のとおいところが
ゆっくりとまわるようなめまいについて
なにも言葉にはしません

(ふたしかさよ、)

ここらで遠永はおしまいです

こわいほどふつうに
あくびをする
そして
カップの底に
肌色の月だけがのこる





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