そして花は散る/あ。
わたしたちはいつだって、衰退するために歩いている
爽やかな足取りで、時折笑顔や鼻歌も添えて
夢物語ばかりを選んで話す
事実はこの際あまり重要ではない
幸せになりたい、なんて
芝居がかった言葉を口にする
別に不幸せとも思っていないくせに
空気より軽い言葉はさらさらと流れる至上の道楽だ
種がどこからやってきたのか、よりも
雨がやむ瞬間のほうが大切だった
本当はわたし、空だって飛べるのよ
花びらが一枚、ぽとりと落ちた
水滴みたいにこころもとなかった
それでもまた、歩く
軽やかに、前を見て、息を吸い込んで
衰退に向かって、今日も
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