ファミリアゾーン/ゴースト(無月野青馬)
 
エクトプラズムを垂れ流しています
ランジェリーだけを着た長女は無言で
ステーキを口に運んで咀嚼し続けるのみです
「私」は気持ちを抑えて犬小屋にいます
「私」は一人一人と一匹にレッグラリアートをしてやりたい気持ちを
グッと抑えて
先々の夢を叶える為に
航空券を買います
ここは南イタリアではないから
「私」は錯覚を終わらせて
飛行機に乗り込むのです
「私」はもう、このアズーリから出て行きます


「私」は出て行きます
穏やかな風が吹いていてくれたらと密かに願っています
風が「私」の膨張を一瞬でも冷ましてくれたらと
願ってみてもいるのです
ほんの僅かな希望なのかもしれないのですが




戻る   Point(6)