九月のノートから1 (十首)/もっぷ
 
音静か眠る時間が過ぎている気づく気持ちは秋を悟(し)ってる


生きてみた夏百日紅みぬままに落ち葉をきょうの靴は踏みたい


パソコンに描く絵空事の夏と夏とそうして秋となるのか


親しさを信じた他人いつか他人知ってたようなきょうの落葉


きみの詩のなみだのとこだけこの秋の最初の無垢な風は撫でたい


読書とか食欲の秋と言われてるそとで涼しい風が吹いてる


箸並べ向かいにテディ座らせる一緒に食べよう、でもホラーかも


踏切の無い町に住みいま想う皆でいらいらしてたあの熱


戯れと思っていいよさようなら夏の恋ならそう言えたのに


この夜にお薬イヤと言う君は鏡のなかでまた泣いている


戻る   Point(3)