十月の晴れた昼下がり/オイタル
それがどこなのか 道は林をひと巡り
スカートの短いお嬢さんが
ライトの灯った箱の中に滑らかな頭を突っ込んで
泣いているのか 笑っているのか
静かに懸命に首を振っている
やがてぼくは耳鳴りのようにウイーンに導かれて外へ出るのだ
背の低い雑貨屋 無口なスナックの看板
口うるさいラーメン屋と肩のこった地産地消の店
みんなで黙って腕組んで 頭上を遠く青空が横断する
ぼくも行きたいところがあるのだが
それがいつなのか
それはどんなふうなのか
それが皆目わからない
十月のある晴れた日 晴れた日の午後だ とにかく
ぼくは きれいに刈り上げられた首筋の
小さな風の吹く図書館で
真夜中にマクドナルドに行くお話に耳を傾けていた
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