おとうと、怒る/月山一天
 

8つのおとうとは
私が夕飯時になっても
食卓に来ないので怒っている

8つのおとうとは
私を呼んでも返事もしないと
私の部屋のドアを蹴り
「何か悲しい物でも、隠しているのか」
と問う

それでも
よく彼は私の部屋にいる
その度に母に叱られるのも知っている

8つのおとうとは
今日も夕飯が出来たとドアを蹴る
そして
おまえなんかしらないと
泣く

まだ彼は
私が死んだ事を

怒っているのだ



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