クリンリネス/平井容子
身体のうちで
いちばんきれいな皮ふのところを選んで
跳ねる、つぶてが
こぉんと、宵へ落ちていった
眠っていたのかそうでないのかわからない
果たしていつのまにか
まるですっきりと目覚めるように
「このまま」をただあきらめるのか
そうでないのかわからない
すすんでいくこと、涙
とけいは
一度狂い始めるともうだめ
とぬるい海底でくじらがあざ笑う
もうだめ
ならば
息ができなくなったあと
またここにそっと
上がっておいで
そう言って手を離した
ああただぶつかりつづけるだけの紺ぺきだ
すべてがこんなに遠いのに
べつにぜんぜん
きれいな朝焼けじゃなかった
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