悠久かくれんぼの拡散/ゴースト(無月野青馬)
られなくて
そしてね
気が付いたらね
「彼女」が居なかったの
いつの間にか「彼女」が消え去っていたのよ!
私は
この時に
本当の恐怖を味わったんだわ
本当に
心の底から恐怖したわ
辱められていた時よりも
どんな嫌がらせを受けていた時よりも
恐ろしかった
私は
家から
外へ出て
何度も何度も「彼女」の名前を呼んだわ
「彼女」の名前は
「ディンガルノ」っていうの
私は
夕焼け空に向かって
何度も何度も
「ディンガルノ!」「ディンガルノ!」って叫んだわ
それでも
どんなに呼んでも
いつまで経っても
「彼女」は
「ディンガルノ」は来てくれないの
来て
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