悠久かくれんぼの拡散/ゴースト(無月野青馬)
 
あれからずっと家の中に居たの
外の世界がどうなっているのか
分からなくて
騒がしかった気もして
だからね
恐かったからね
私は
頭がおかしくなっちゃったんだ
いつの間にか
ママの世界の神様が信じられなくなってきてね
違う神様が
見えるようになってきたの
「彼」は
素敵な神様なの
だって
私を透明人間にしてくれたの
パパ
この手紙を早く読んで
ママを探して来て
そして
パパが
ママと二人で
私の世界に来てくれたら
嬉しい


大規模な戦闘が終わったらしいこの星に
「僕」は
「ボビー」の気配を追っている内に
辿り着いた
そして
この携帯電話の中のメモを読んで
この星でも
過ちが繰り返された現状を知った
この星は既に無人だった
「僕」は
永久に
「ボビー」を追い掛け続けなくてはならないのだと
この星の
戦渦の跡を知り
再認識していた
無力感に包まれながら
星から離脱した




戻る   Point(1)