悠久かくれんぼ/ゴースト(無月野青馬)
帰って来たディンガルノを
ディンガルノ本人だと認めた
帰って来たディンガルノは
けれど「僕達」の知るディンガルノとは
何処かが違っているように感じられた
何故なら
生気の抜けた顔が
血の気の失せた瞳が、唇が、ボサボサの髪が
痩せ細った身体が
天真爛漫で元気だけが取り柄だった「僕達」の記憶の中のディンガルノと
あまりにもかけ離れていたから
そして何よりも
ボビーの不在が
あのボビーとの仲が失われてしまっている様子が
ディンガルノを別人のように錯覚させるのだった
けれど
意思をある程度共有していた「僕達」は
ディンガルノに表立って
ボビーとの
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