悠久かくれんぼ/ゴースト(無月野青馬)
 
出て行ったであろう
“外”へ
「僕」は出てみるしかなくなった


「僕」が
“外”へ出る決意をした時
不思議なことが起こった
誰も居ない筈の施設の中に
微かに笑い声が反響したような気がしたのだ
「僕」は身構えた
一人きりになってから
恐怖を感じることが増えていた


微かな笑い声は幻聴かも知れなかった
だが、事態は変化した
恐がる「僕」を
更に恐怖に追い討ちを掛けるように
昔聴いた囁きに似た
サウンド・オブ・サイレンスらしき音が
これははっきりと聴こえたのだ
昔聴いた
悪魔のサウンド・オブ・サイレンスだと
この音楽には気を付けなければならないと

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