あの日覗き込んだ照準器の十字架Destiny/北街かな
 
ずらすことはできない」
 何度も考えたことはあった。
 どうして猫耳のついたピンク色のヘリコプターにしたんだろうなって。
 弾丸はアルミホイルに包んだチョコボールでなくてはいけなかったのだろうかって。
 猫耳ピンクの機体が他の機体と比べてひときわ美しいとか艶やかだったとか、チョコボールが死にたくなるほど甘かったとかきっとそういうことではないんだ。
 マミユミコ型の少女は、ミシミシと真ん中の線から左右の体をずらしていった。
 でもまばたきすると次の瞬間には元に戻るのを繰り返している。彼女は目玉を回しながら、僕からガスマスクを奪い取って顔に装着した。シューコ、シューコという悲しげな息遣いの
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