オランダ坂/
青色銀河団
夏の濁ったにおいに爪先立ち
砕け散った星々の欠片のような
宿命論として小さきものの
俺がいて
夕刻のオランダ坂には
永遠に落下することのない
光の粒子の螺子があって
それは緩やかに巻き戻されていて
俺は何人もいて
透明な俺は何人もいて
俺は幾重にも重なりながら
かろうじて
ひとつの束となって
透明な俺の影を
細く長く伸ばすのだ
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