アパートの影/番田
何もしないまま
折れた教科書のページを手にしていた
一日が 過ぎていた
壁に当たった水色のライン
そしてベッドで眠った
来年は 会おうと思った友達と会おう
今年は誰とも会わなかった
などということを寂しく考えながら
水たまりの中にあるものは何だろう
そして 僕の知らない 何かの物体と混ざりあった
紙切れが落ちている それは
ひどく踏み荒らされたごみくずだった
エレキギターを手に
描いていたはずの 今日は何だったのだろう
誰も知らない 時間の中で
自由な夢を描いていたはずだった
戻る 編 削 Point(1)