エロ本曼荼羅/
 


しびれるくらいの夕立を浴びせられながら、緑のカラコンを落としたと言ってうずくまる彼女のふくら脛を見ている。膚は湿ってはいるのだが水滴がそのまま伝って靴の中に入っていくのが見える。おれは傘を差しながら見ている。燕脂色のスカートが雨に濡れて黒ずんで、パンツが透ける。そそる。折しも夕暮れ、往来で、交差点の心臓に片方はずぶ濡れ座り尽くすのだが、車の通りはそのまま連れ去られたみたいになくなっていた。さっき信号を待っている間に、台風が近いとか誰かが言ってたような気もする。それでもこの驟雨の中にいるのは、おれと、彼女と、あとは時々、合羽を着て自転車に乗った男だか女だか人だかわからないのが、確認するように
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