並木道/加藤
道路の一方に並ぶ
木々の下を歩く
ゆっくり歩くほど
雑音の中から 笑う声に似た音が響く
聞いたことがあるようでなつかしい
ふんわりした空気が流れていくけど錯覚だと思う
現実と頭の中の重みがどうもあわない
自然の匂いがここにはある
次第に浮つく気持ちをなくして
立って歩いていることを自覚した
今は昔と同じようで別物で
全てにはとても逆らえない
月日が経てば 年も重なる
もう少しでこの木々も色づくだろう
それを見上げる何度目かの秋
これから いくつ思い出を残して行けるだろう
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