歓楽街の景色から/番田 
 

感じているのは 悲しい予感
誰もいない 寂しい街角で

風が いつも吹いていた
僕はまだ たぶん生きていた

ものを口に入れながら
会話をするのはなぜ

どこに行くのか
人に 聞いても 返事はない

だけど何をするにしても
お金が 必要だ
寂しい 毎日

湿り気で部屋が閉ざされた
風のない秋の入り口で

テスト会場の机の上に
浪人生に残された 落書きを見た




モデルを やっているという
あの子も そんな風に 淘汰されていくのだろう

速いけれど
新しいパソコンは だけど
すこしばかりうるさすぎた
とても それは 致命的だ

下北沢の駅前でスニーカーを買う
どこにでも売っている
褪せたモデルを

面白いことは少ない
公園も あきらめられた廃墟のように 見えた
この街に 住む人は皆
死体のような 顔をしている

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