残月/
和田カマリ
弧を描く真昼の白い月
残月と呼ばれるのは
いつまで
楽になりたくて
あの女が手を掲げ
空に救いを求める時
見えない剃刀となり
その眼に飛び込んで
魂を切り裂いて欲しい
白い血が滲み出す
治らない傷口になって
あの女を腐らせて欲しい
弧を描く真昼の白い月
いつまでも不安のように
空に残り続けて
分からせて欲しいんだ
この俺を簡単に消すなんて
できない
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