一人の日/番田 
 

誰もいない日
あれは 小学生だった頃
埃の舞う 帰り道を 歩いた
一人で帰るのが 好きだった
家に帰って それから
考えていた
新しいファミコンのゲームをしようだとか
面白い漫画を 読もうとか
寂しくは なかった
なぜなのかはわからないけれど


自分とはどんな人間なのだろう


怪訝な目で見られながら
時の中を流れながら
酒を飲んだ
人混みに紛れながら
そこにはもう夢と言えるものはなく
硬質な現実があるだけ
現実を覆い隠しただけの造花たち
イバラの針に刺されていた
華やかに見えるのはなんだろう
繁華街の中に紛れながら


炭の匂いを思い出
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