チイサナ/クリ
 
子供を育てる資格がないのです
近くまで来ています

僕は 焦燥と怒りと後悔をないまぜにして
相容れないふたつの欲求を相殺させようとして
小さなサンドマンの歌を頭の中で歌う

最後まで読まずにはいられない
小さな君は一人なのだろうか?
君は母でいることを放棄するのか?
君は母ではない何になると言い出すのか?

僕は
僕は
生活の小さな幾ばくかを
破棄する心づもりで
1月の寒さに最小限耐えうる服装に着替えて
こっそりと靴を履き
(僕といっしょにいればよかったのに)
慎重にドアを開け ドアを閉め
(勝手にさよならしたのは…)
その小さな ドアを ロックし

エレベータの前まで来て
君と同じほど小さなままで
ボタンを押しかねている

エレベータが上ってくる
小さな音がする



                    2005.01.08 : Kuri, Kipple
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