詩人/葉leaf
 

もっとも善意に満ちた人々から、月光が射してくるように「詩人」と呼ばれ、もっとも無関心な人々から、どうでもいい荷物を落とすように「詩人」と呼ばれる。だが「詩人」という自称は北を向いた決意だったり南を向いた諦念だったりして、「詩人」を自称することで失われる、何者でもないことの自由、一筋の傷すらない空虚、内側から栄える罪がある。そうして僕は今日も社会の曲がった時間の峰から滑り落ちそうになりながら、「詩人」であることをやめ続けている。僕は、一輪の草の花が美しく咲いてしまったかのように孤独だった。道端の空間に矛盾にも似た裂け目を入れ、誰もいない夜にも美しさを振りまき、少しずつ生長するけれども終局点は見え
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