肝油ドロップ/望月 ゆき
 
ストローの紙袋を
できるだけ遠く
白く、吹いて
氷の空へ飛ばす

コツンとあたった
かすかな点から
ぱきぱき、と
空はひび割れて
肝油ドロップがふりそそぐ
雪乞いの
甘い甘い、夕べ

千里をもかけぬける
しじまの支配を
小気味よくすりぬけては
ドロップを、ほおばる
あなた

さしだすわたしの手

平たい空っぽの缶と
守れない3粒の、
約束


つめたくして、ごめんね


そんなあなただから
空っぽになるくらい、好きだのに

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