手/hiroto22
寝しなに
「おかあさん、
あと二時間くらい手ぇつないどっていい?
やっぱり、
いっしょう手ぇつないどっていい?」
そう言ったかと思うと
すぐに寝息が聞こえてきて
繋いでた手は離れていこうとする
私は切ない気になって
ぎゅっとその手を両手で握り
しばらく温もりを噛みしめる
小さくて
弾力があって
いつもポッポッと熱くって
可愛くて愛しい手
その手は
握り返してくれるでもなく
そうして
そうっと手を離し
毛布を肩まで掛けてやる
キミはもう
夢の中
心はもう
夢の中
そこは
私の手の届かないところ
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