冬のある景色/緋乃村燿介
寒い冬に啜るラーメン
お腹いっぱいになって悩み事も棚上げ
白い息を吐くバス停
空を見上げたまま待つこともう10分
唸り声をあげる鉄の塊
プシューっと開くドアに身体が吸い込まれる
ンーンー震えるポケットの住人
取り出したら長い長い君からのメール
返事を書いていたら
乗り越してしまって冷や汗をかく僕がそこにいて
苦笑いをしながら
月に照らされた冷たい町を歩いていく
こんな日もいいかなぁ〜なんて
ホットの缶入りポタージュを飲みながら
そろそろ家だなぁ〜なんて
メールの返信完成させなきゃと思いながら
お腹がすいたなぁ〜なんて
今日は夕飯何にしようかなぁ〜なんて
いろ〜んなことを考えながらもう家の前だったりする
ただいま。
まぁ、誰も居ないけど……
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