Boston Calling/虹村 凌
 
真夜中の詩人が歩き出す
まだ眠らないのは
月も星も眩しいから
銀色の煙が美味しいから

愛だとか傷痕だとか
嘲笑を抱えて孤独を彩る
真夜中の詩人が歩き出す

聞こえているか?この詩が
涙は乾いているか?その頬の
歩いているか?その足は

真夜中が呼んでいる
壱弐参死壱弐参死
真夜中を呼んでいる

指の先まで醒めている
目の奥まで澄んでいる
真夜中の詩人が歩き出す

昨日 君を指した満月が
今夜 この胸を突き抜けてゆく
心の臓まで届いている

聞こえているか?この声が
聞こえているか?この涙が
聞こえているか?この足音が

真夜中に 呼んでいる
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