石の星座/まーつん
石ころのように
蹴飛ばされた
君の命が
川の流れに
ぼしゃりと飛び込み
揺らめく水の底を
ゆっくりと転がって
手の届かない
透明な棺桶の奥から
空を見上げている
昼も、夜も…
そんな
石ころたちが
時の流れの川底に
無数に落ちている
終わったと
思っていた
光溢れる生の岸辺から
時代の硬い爪先が
人々の命を
蹴り落とすような世界は
だが風は 止んだのではない
ただ 息を潜めていただけだ
聳え立つ 山の頂から
今 時代の風は
強く 冷たく
吹き降ろし始める
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