緑/葉leaf
少年が黎明する正午に大きな鳥が日を遮った
その急襲する翳の奥にある形のない論理から
世界に緑の体系がこまごましく飛び火した
緑のいくつもの形態がその他の色と共に
少年の背骨から放射する柔らかい網を形成した
山の頂から見下ろすと沢山の山が街を取り囲んでいた
霞み、または青みがかり、または日を強く浴びて
街を支えているこの山々が少年の地盤を支えたのだった
少年は友達と山の迷路にいくつも痕跡を残した
細やかな枝や葉、草生えの光、隠れた目のような石たち
緑の細部は細い筆のように少年の血液に沢山の文字を流した
少年は果樹園で果実の商業の発端に交わった
いくつもの軌道に沿って積
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)