馬鹿は嫌いですか/まーつん
知ったようなことを
ほざくのが
気持ちよくてね
その代償は
賢者からの軽蔑
ハイヒールの踵で 不意に
背中を蹴られるような気分さ
気の利いた冗談を
言えるようになりたいんだ
ここぞというタイミングで
男と生れたからには
気障に生きるのも一興
それを鼻で笑われても
やっぱり カッコつけていたい
金メッキの華やぎで
ブリキの身体を飾りたてる
虚飾の安い輝きは
駐車場で幅を利かせる
デコトラやシャコタンの持つ
けばけばしい自己主張のように
格調の高い連中の感性を
逆なでにするらしい
ワインよりもビール
囁きよりも胴間声
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