その音は岩に響いて/ゆったいり
いたのか
僕が理解できないことは、
分かっていた、はずだろう
さみしさを憑依させて石を握る
おもいでと共に腕を振り切る
いしきと一緒に飛んだ小石は
ふと君の眼差しが重なる
波紋を広げ、沈んでいった
その音は岩に響いて
やっと分かった
人が空を作ったんだ
言葉のナイフでぶつ切りにして
空に海に風に光
そこに区別なんて本当はなくて
あふれんばかりの景色を見渡す
僕に君に月に太陽
全ては無限のひとかけら
そう、知っていたんだ、君は
みなもの輝きに君の瞳を
たわむれる風に君の息吹を
還ったんだね、無限の懐
ありがとう
君の波紋は僕に消えない
だから、だからこそ
君のいた木
葉が散り、また茂るころには
新しい恋を
夜の巡る先を
きっと見つける
だから、と僕はつぶやく
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