八月の残照 (十五首)/もっぷ
 



部屋のどこを捜しても明日なんてないつぶやいてたらメール着信音


秋を待ち碧の海にいきましょうすぐに壊れるお城作りましょう


ひざ抱え詮無い思いかみしめてライターの灯に消えた八月


ワード開け角砂糖一つ噛んでみるコクトーの真似してみるゆうべ


ねえ知りたい、わたしが翼ほしいわけ、一度かかとを忘れたいから


ロンドンのパブの昼間の優しさにすがった夏もいまはまぼろし


戻る   Point(6)