企業戦士/佑木
 
毎朝 電車に乗って仕事に行く
ある朝 いつものように電車に乗り込み周りを
見てみると(私は常に立っている)

座席の一番端にひとりの精悍な顔つきの企業戦士といった
雰囲気の中年が座っていて

「営業職だろうか それとも管理職だろうか」などと
ふと思ったりする

その時は
それ以上何の感慨もなく 外の景色を見ていた

しばらくすると 次の駅に停車し
母親に抱かれた2歳前後の幼児が入って来た

幼児が母親に甘える言葉が
車内に いつもとは違った
何とも言えない家族の平和なひとときの雰囲気を醸すのを

朝の日差しを受けながら自分は感じていた

企業戦士の方角を
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