ふるえ声/
石川和広
育った道を
バスが交差して
くねりながら
震えるのに
指で
ケータイいじりながら言葉を差し込む
自分の未然形
スガシカオな戦慄で
歩く
悔い改めることが雨と流れて吹きだまるが
スガにはかなわない
今日30とひとつ足した歳に
なっていた日
終身形
あるく
頬がほてる
何を焦るのと問う
溶ける夜空
雨粒も、じきに
乾く
気のキイタ空気は
車道を
かすっていく
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