光の印象/
マチネ
胎児はちいさくうずくまり
やがて訪れる白色の光明を
羊水の中の夢にみている
童子達は灰色の地面を蹴り
いま浴びている強烈な日光を
明確な視野の隅にとらえる
みずみずしい肌に照る
その反映のうつくしさ
大人たちはせのびしながら
つやの無くなった服を選び
何者からか隠れようとしている
(はたしてなにから?)
(光を失したレコオドの
隣に並ぶ小さなCDに
蛍光灯の灯りが照って
ひそやかな虹を映している)
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