屋上/自転車に乗れない女の子
 




-1-


気まぐれな雨が降った
あの昼下がりに
君は0.9を0と定義した


手からこぼれたサイコロが
3.5を示したことを認めずに
確率論と終末論をすり替えて

君は。



-2-


階段をかけあがって
たどり着いた空の途中で
わたしは君と約束をしました



じゃんけんで負けたほうが
勝ったほうの背中を押すの



金網の向こうで沈んでいく夕日と
それを滲ませるように
降る雨を見つめて
君はいいよと頷いた


たったふたり、
地上20Mの小さなバトルは
何度やっても
「あいこ」ばかりで


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