それでも夢は(改作)/永乃ゆち
 
めざるをえないし
世の中はどうにもならない事だらけだ。

だって今までそうだった。
どんなに殴られて泣き叫んでも
誰も助けてはくれなかったし
逃げ道なんてなかった。
男に力ずくで奪われた時も私は独りだった。

私の夢はあの人の子供を産むこと。

それを聞いても
まだ、夢は叶うと言うのだろうか。

教えて下さい。

それでも夢は叶うと言い切れますか?


汚れた身体を引きずって
一日30錠のお薬を飲む。
そうやって、何とか毎日を生きている。

唯一心から愛した人は決して手の届かない人だった。


あの人は何も知らない。私の愛も絶望も。



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