そしていつの間にか100年が経っていた/
自転車に乗れない女の子
一昨日の夜
世界中で槍が降ったので
わたしはネズミイロの箱の中にうずくまり
ひとり寂しく鳴いていました
昨日の朝は
庭に星のかけらが降ったので
わたしは爪に塗ったマゼンタをそのままに
窓の外を思い鳴いていました
だからなんだというけれど
槍が突いた肉片と
星が貫いた願いを
わたしは今日から
ひとつずつ拾い集めるために
扉を開けることにします
戻る
編
削
Point
(4)