「雲の上に雨は降らないのにね」/
自転車に乗れない女の子
赤い目の少女は
わたしの手をとって
銀河の階段をのぼっていく
はじめましてもしないまま
あなたらしくないのよ
出会ったばかりの少女は笑う
長く遠い星を登って
雨の降らない空を歩いて
そしてわたしはその先に
角砂糖ひとつぶんくらいの
ちっぽけな本当のわたしを見つけた。
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