竜飛まで/天野茂典
なたを驚かせるためのよいお土産話になる
津軽半島一周の単独行だ
ぼくが初めてかもしれない
竜飛まで
道はいままでなかったのだ
抜け道の細い土手の下は
日本海だった
新道の中でこければ
だれもたすけにきてはくれない
冒険だった
無謀だった
しかし新しい道の誘惑にはかてなかった
詩を書くときも
新しいところに出なければとは
いつも思っている
それには
冒険や
無謀がつきものである
あなたにあいたい
早くこの話をしてやりたい
ぼくは古い詩人になってしまったが
新しい道のことを
あなたにあって伝えたい
あなたはいった
こんなちっちゃいバイクできたのと
2005・01・05
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