歌/葉leaf
昨日がないので今日もない
だから明日も明後日もない
あるのは太陽の昇り沈み
大気の湿りと突然の雨
そして疲労を癒す涼しい風
自分は動物だと思っている
ときには蛇のようにしなやかに
ときには鳥のように素早く
ときには猫のように眠たげに
ニンゲン、というのは何か嘘っぽくて
今日も自分はニンゲン、でありたいとは思わない
たまに家にやってくるスーツを着た役人
ああいうのがニンゲン、なのかな
自分はよく知らないけど大きなものの中で循環している
そんな自分の中にも循環するものがある
感情より先に言葉が動き
意識より先に眼球が動き
先へ先へと遡っていく中で何かを
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